Tuesday, February 4, 2014

コーリング

アルバイトが早く終わった夜だった。うちに帰って、珈琲を飲みながら小説を読んだ夜だった。お笑いを見てビールを飲んだ夜だった。そして、電話がかかってきた。
「もしもし、エリック〜」と雑音混じれた声が言った。F先生だった。毎週の金曜日の夜、M市の先生たちは「交」という居酒屋で集まった。彼はあそこから電話をかけて下さった。
「F先生、お久しぶりですね。」
「お久しぶりだな。エリックは今どこにおるか。」
「まだ京都にいます。」
「京都か、そうなんだ。そのハンバーガーさんもあるな。」
「うん、スマイルバーガーです。」
僕は最近の事情を知らせた。言葉の間、居酒屋の盛り上がる音が聞こえた。M市の夜がたしかに寒いが、「交」は活気で溢れていそうだった。僕は日焼けした建設作業員と眼鏡をかけた教師の常連を想像した。店の扉の独特の音もした。F先生は携帯電話を回して、僕の知らない人と話させた。最後に、携帯電話はF先生に戻ってきた。
「エリックはM市に戻ったら、是非ここに来て。」
「世界でそこより行きたい場所がありません。」 と僕は言ったが、言いたいことが伝えたかどうか分からない。それはよくある問題だ。

あげるもの

悪意の表情で彼女はキッチンを出た。彼女は箸を包丁のように持ち上げて、僕に指した。僕は両手を上げて、財布をゆっくり取り出した。
「どうぞ、あげるよ。」と僕は渡しながら言った。
彼女は僕の目をじっと見て、首を振った。箸を僕の胸に指した。
「要らない。」と彼女は言った。「I want your heart.」

Sunday, September 29, 2013

予想を裏切って

1年半前の予想を裏切って、茶色は僕の生活を奪取しなかった。相変わらず、緑は僕の生活を独占している。左手のクロゼットで緑のTシャツが元気よくかかっていて、緑のパンツはその下で不機嫌でうつむいている。ハンカチとハーモニカも。みんなは緑だ。
今朝僕は結構真剣なエッセーをやっと書き終えた。やっぱり文章を書くのは楽しかった。これから学校で宿題が増えて色々なものを書かないといけなくなる。宿題というのは、大抵「枠」を当ててくれるから、そんな当てられたテーマに従って書くことを楽しみにしている。僕の経験で枠によって自分の視野が分かるようになる。もちろんここで案の定自由に書くつもりだが、その枠があるから、自由って何なのかが分かると思う。枠あっての自由。

Thursday, May 24, 2012

茶色

いつから茶色の時代になったのか、自分もよく分からなかった。いつものような朝にご飯を作っていた時急に実現した:口にあるチョコレート、冷えているアイス珈琲、スーツ、スボン、帽子。僕の生活は茶色ばかりだ。そして、二つ目の実現もあった:前に憧れた緑色も「お茶」の色だ。お茶を全体的に考えると、本当に色々な色のお茶もあって、「茶色」というのは一つの色に限らない方がいい。もしお茶の葉っぱや生のままの色と言ったら茶色のも多いけど、前に言ったように抹茶とか色々がある。これから、これをよく考えるつもりだ。

Friday, April 13, 2012

愛の優れた蜜柑、怒りの優れた蜜柑

一時間が経ってから、僕らの座っているソファは快適になってきた。紅茶の入っていたマッグカップの空白は部屋の引力を狂わせるように、あなたは腰を上げて湯を湧かしに行く。
この雨と雷は午後一時ごろまでに続くはずだ。梅雨なんだと言っても、この辺で雨がいつでも降れるような気がする。
「雨が降ってる、ざあざあ降ってる、おじいちゃんはいびきをかいてる」とあなたは台所へ歩きながら歌う。「ベッドに行って、頭をぶつかって、朝に起きなかった」。
確かに台所の窓の外の雨を見ているあなたなんだ。その事実を信じる。背中の花の入れ墨はここから見える。「その子守歌を知らないかな?」と僕に聞いてくる。
背中の花は白くて、雪だらけの枝によく間違えられる。雨のリズムセクションはあなたの声を待っている。
紅茶のマッグカップの二杯と僕の薬を持って来てソファに腰を下ろす。僕はチョコレート一個を口に入れる。
「なんか引いてほしい曲があったが、忘れちゃった。」と僕は言う。あなたはギターを床から取り上げて、マイナーコードを引く。
あなたは眉毛を上げて、「ムーン・リバー?」
「あかん。」
「ラ・バンバー?」
「なんなや。」
「ザ・サウンド・オヴ・サイレンス?」
「それでいい。」
僕の鞄からノートを出す。ページの上に「リバー」「バンバー」と「サイレンス」を書いてみる。なぜか心が落ち着く。あなたの指と口も描いてみる。

四時半頃雨の雲は南へ20マイルぐらい過ぎた。僕らは近くの坂の野原から雲を黙って見る。蜜柑色の太陽も海の上にだんだん暮れている。海の反対側に街の駅と病院が見える。暗くなったらこの森のフクロウは鳴り始める。僕の鞄からチョコレート二個を出して、僕らは食べる。
「さっき誰に電話した?」と僕は聞く。
「駅に電話をかけた。私達のバスは8時に出発するって。その前に街で何かを食べよう。」とあなたは言う。
僕らは目を合わせて、ゆっくりキスをする。胸が痛くて、ため息をする。
 フクロウの鳴き声を耳で探すが、まだ早い。
「フクロウはこの辺におるやろう?」と僕は聞く。
「おらんと思う。餌食の隠れる場所がないから。多分北の方におる。」
「本間?隠れるところが色々あるよ。」
その指と、裸の足の下の濡れている草。たまに人間は自分より大きいものに飲まれて仕方がない。
坂の下の川はいつものように流れていて聞こえる。川の音の後ろには人工的な音も聞こえる。小石とタイヤーの音だ。エンジンが僕らの家の近くに止まった。また目を合わせて、聞きたいことは多すぎるが、意味がないと分かっている。結果のない疑問だけだ。
 「ここで待ってて。しょうぺん。。。」と僕は言って立ち去る。 坂の海側を下がって、海へ走る。太陽を追いかけるか、逃げるか、区別が出来ない。そんな動物は捕まらない。

Monday, October 24, 2011

Sticking It Out

I specifically remember the uncomfortable chair in the cafe hidden in one of the many underground corridors of Ueno Station. There was also the constant clatter of weekend foot traffic and my first real taste of freedom in quite some time. I hadn't come to the realization that flying and falling are pretty much the same sensation.
I went to the cafe for the computers, but more specifically to get the latest from back home. My sister sent me a link to my grandfather's obituary in the local paper, and to this day I still cry when I read it. In the year and a half since, I can see that everyone has their own way of coping with these things. I took the advice of the two people I trust the most and focused on the job I had just started. I had hot cakes for breakfast in the cafe and spent the day wandering around a museum with the most electrifying person I know.
Some friends invited me over for dinner that night, and we chatted about the new job. "Sticking it out is overrated," one said. "Every time someone has told me to stick something out, it's never worth it."
I quit that job six months later, halfway through my contract. I gave it a try, gave it my best. I'm glad I didn't stick it out.

Monday, July 25, 2011

A Headache.

A headache. His head was in a daze. He suspected that it was from a very full day of stressful events, but also didn't want to rule out the possibility of a concussion. The muscles in his legs rang with a sharp pain when he moved them a certain way, but were otherwise okay. Unsure of what to do, he put on some light music a friend had recorded on piano the previous week. He was laying on his futon with his eyes closed, focusing on the phrases from his friend's right hand. He still couldn't believe how good this friend was at playing and composing. He took slow, deep breaths and let the music swirl in his head. Corner to corner it went, gradually pulling him into a bright, tender sleep.